水をのむごとくするするわかる。
これは長唄の老松の詞である。
ご自分が判れば良い。
これは答えなのだから。
実(げ)に治まれる四方(よも)の国 実に治まれる四方の国 関の戸ささで通はん
これは老木の神松の 千代に八千代にさざれ石の 巌となりて苔のむすまで
松の葉色も時めきて 十返り深き緑のうち
眠れる夢のはや覚めて 色香にふけし花も過ぎ
月にうそぶき身はつながるる 糸竹の 縁にひかれて
うつらうつらと 長生の泉を汲める心地せり
まず社壇の方を見てあれば 北に峨々たる青山に 彩る雲のたなびきて
風にひらり ひらめきわたる此方には 翠帳紅閨の粧ひ 昔を忘れず
右に古寺の旧跡あり 晨鐘夕梵の響き 絶ゆることなき眺めさへ
赤間硯の筆ずさみ ここに司を しるしけり
舞は初源のことば。